学生の頃からものづくりに興味を持ち、大学の授業でもCAD/CAMについて勉強していました。CAD/CAMがきっかけとなり、就職活動でコダマコーポレーションの存在を知りましたが、同業他社と比べ当時から自社で加工拠点(羽村工場・試作部)を持っていたことが他社との大きな違いであり、最終的には私が入社を決意する要因となりました。
入社時、羽村拠点へ配属を希望しましたが、会社の実務やお客様のことを覚えるため、4年目までは技術担当としてベンチマークや導入後のサポート、コンサルティングなどを行いました。今思えば、お客様が何を求めて当社の製品に興味を持ったか、お客様の課題にはどんなことがあるのか、製造の工程は実際どうなっているのかなど、いきなり試作加工の現場に配属されたら多分知ることが出来なかったことをたくさん学ぶことが出来たため、良いキャリアを積むことが出来たと思っています。テレフォンサポートでの経験も、いろいろなお客様の質問を通じて、お客様の視点で解決策を伝えるトレーニングになったのではないでしょうか。
4年目を迎えた2009年、当社では「加工技術」に置ける最新技術である5軸加工が可能な最先端の加工機械などを揃えた、「加工技術研究所」を設立しました。私もそこに異動となり、現在は研究所が事業として取り組んでいる同時5軸加工機を使用した試作請負業務やお客様を招いての加工技術のデモンストレーション、5軸加工機オペレーションのインストラクション、そしてそれらを総合した加工技術の研究やノウハウの確立を担っています。
確かに5軸加工は、現状では難しい技術であり、そうした高度な加工技術ノウハウを蓄積することもミッションではありますが、当社のコアビジネスはソフトウェアやシステムを利用し製造工程を効率化することですから、それらと組み合わせて加工機を運用することで、熟練工でなくても高度な加工が実現できる「工程」を確立することが、私たち研究所のメンバーが目指す真のミッションですね。
同時5軸加工のノウハウを積み上げ、ソフトウェア・システムと連動させ、製造工程として標準化し、確立する。“最先端”に取り組むことが出来る喜びはありますが、それは同時にまだノウハウが確立されていない領域に挑戦しなければいけない難しさの存在を意味します。取り組んでみて、改めてその奥深さを知った気がしています。
しかし、ひとたび標準化が実現すれば、それは日本全体に大きな影響を与えるといって過言でない、大きな業績になるわけです。
また5軸加工機も現在は非常に高価なものですが、そのうち必ず一般化するはずです。それまでに当社が技術やノウハウを蓄積できていれば、本業のCAD/CAMの販売においてシェアを一気に高めるチャンスとなるはずです。私のキャリアで、そんな重要なミッションを任されていることには、責任感とやりがいを感じます。
当社のCAD/CAMは、5軸加工を高いレベルでコントロールできる数少ない存在のソフトウェア。加工の現場に携わることで、改めてその凄みを知りました。